インバウンド需要にみる他者理解と接客の重要性

投稿者: | 2015年10月2日

 

ビジネスがうまくいっていない現場ほど、個々のスタッフが他者(お客さんや同僚)は
どう考えているか、ニーズはどんなことなのかということに注意を払わない傾向があるようです。

より具体的には、

・他者理解の重要性が認識されていないこと

・コミュニケーションが上手く取れない技術的な問題

の2点が考えられます。

先日、テレビ番組の「ガイアの夜明け」で、この2点に関連する話題が取り上げられていました
のでご紹介しましょう。

ガイアの夜明け 第682回(2015/9/15)
「”お国柄”に商機あり! ~訪日外国人の新たな攻略法~」

 

訪日客の行動をSNS解析で「見える化」 (ナイトレイ)

円安の影響もあって、訪日外国人の数は急増。

中国人客の爆買いにみられるように訪日客相手のビジネスも伸びています。

そこで、まず、訪日客の行動を「見える化」するサービスを提供し始めたのが、
ITベンチャー企業の「ナイトレイ」

インバウンド・インサイトという分析ツールでSNS解析サービスを展開してます。

訪日客が日本国内を旅行している間にSNSで投稿した内容から、国、場所、店、行動を分析して
地図上に表示します。

どの国からの訪日客が、どんな行動パターンをとって、何を買ったり食べたりしているのか
という好みも調べて、そのデータを活用しようというものです。

日本人の我々が予測するものと違って意外なデータが得られ、成果を上げているようです。

 

国別に旅行ツアーを組む (フリープラス)

それから、国別にツアーを組む「フリープラス」

こちらはもっと踏み込んで、ツアー自体を訪日客の国によって組み替えます。

例えば、インドの方は、学校で被曝のことを習っていてニーズが高い広島をコースに取り入れます。

広島での食事はというと、お好み焼きでもカキでもなく、インド料理。

インド料理の方が落ち着くのだそうです。

旅行者に寄り添った配慮なのですね。

また、ミヤンマーの方は、鎌倉をコースに入れ大仏を参拝します。

彼らにとって参拝とともに大事なのは、大仏の置物をお土産に買うこと。

それを持っていれば、いつか日本に来られると信じられているのだとか。

手のひらサイズの大仏で、いろいろな色があり、たくさん買っておられました。

フリープラスでは、国別のツアーを組むため、各国に出向いて現地の旅行会社や人々に
ヒアリングするなどして、情報を集めているそうです。

われわれ日本人が定番と思い込んでいる観光資源を押し付けるのではなく、
各国のニーズを調べてツアーを作ることで満足度が格段に高くなるわけです。

また、フリープラスは、GMOリサーチと業務提携し、自社のツアーに同行して
訪日客の「生の声」を聞く、インバウンドリサーチも実施しています。

こういった調査も手間はかかりますが、書いてもらうだけのアンケート調査と異なり、
価値の高い情報が収集できます。

 

他者理解の重要性を再認識しましょう

今回の例は外国人が対象になっていますが、他者理解の重要性は、日本人でも同じこと。

日本人にもいろいろな方がおられますので、もっと他者のことを知る意識が必要なのです。

他者理解にはコミュニケーションが必要で、コミュニケーションは脳がとっているわけで、
脳の理解が必要、、という流れになるのは、必然的と言えます。

脳を知って、コミュニケーション能力を高め、他者理解を意識しながら進めていくと、
ビジネスもうまく回るようになるはずです。

 

訪日客に対する接客をチェック (グローバルパワー)

次は、訪日外国人への接客について取り上げられていた会社をご紹介します。

英語が苦手とか、外国の方が苦手など、外国人を接客するのはちょっと、、
という方もおられるでしょう。

訪日外国人の数は急増していて、お客さんとして買物をされる機会も増えています。

そんな中、苦手意識から接客できないのは残念ですし、もったいない。

商品を並べていれば売れるとか、サービスを提示すれば選ばれるという時代ではありません。

そこで、店員が外国人にちゃんと接客できているかを覆面調査するサービスを始めたのが、
「グローバルパワー」

グローバルパワーは、日本在住の外国人を派遣・紹介している会社で、登録外国人は133の
国と地域で4万人以上。

そのサービスの一つが、「外国人観光客ミステリーショッパー」という、登録外国人に買物客を
装ってもらい覆面調査するというもの。

番組では、◯◯不動産の担当者が依頼して、とある百貨店の店舗で実施していました。

その百貨店では、語学が苦手な店員でも外国人観光客を接客できるよう、英語、中国語、タイ語で
書かれた、指差しコミュニケーションシートが各売り場に用意されていました。

覆面調査員として選ばれたのは、中国人とタイ人のカップル2組。

そのカップルは、実際には日本語ができますが、分からない振りをします。

さて、接客はどうだったでしょうか?

3時間で8店舗ほどを調査しましたが、ほとんど接客を受けられなかったようで、
せっかく用意してあった指差しシートも1店舗でしか使っていなかったとのこと。

そこで、百貨店は対策を講じます。

従業員3,000人に英語と中国語の講習を通して、外国人に対して積極的な接客ができるように
トレーニング(語学力の向上がメインの講座ではありません)。

すると、うまく接客でき、売上げがよくなりました。めでたし、めでたし。

やはり、積極的なコミュニケーションは大事ですよね。

ということなのですが、、

店側が指差しシートを用意しただけで、慢心していたように見受けられたのが残念。

調査会社を利用するにしても、もっと自社で出来ることをやった上で依頼すれば
もっと効率的にできたはず。

以前、私(武永)のメルマガやこのブログで取り上げた類人猿分類も、かなり反応が大きく、
従業員教育でコミュニケーションの重要性が認知されてきているのが感じられました。

しかし、分かってはいても具体的な対策を充分に打てていないところが多いようです。

あなたの会社やチームは大丈夫ですか?

まだ充分に取り組めていなくても、まだ間に合うかもしれません。

早めに取り組むことをお勧めします。

意外な盲点として、日本人同士ですと、相手のことを分かったつもりになって、
多様性を前提としたコミュニケーションを意識しづらいこと。

そんなとき、外国人が相手だとすると否応なく多様性を意識することになりますので
よいトレーニングになります。

インバウンド需要が注目されていますが、訪日客に対するコミュニケーション対策で
日本人客へのコミュニケーション能力も磨けるチャンスとも言えます。

 

脳科学でビジネスライフを快適に!

では、また!

 

(了)

 

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