扁桃体によるネガティブ・モチベーション

投稿者: | 2016年8月15日

 

ポジティブ・モチベーション/ネガティブ・モチベーション

モチベーション(動機付け)には、大きく2種類があります。

 ポジティブ・モチベーション

 ネガティブ・モチベーション

 

ポジティブ・モチベーションは、やり遂げたことで得られるであろう報酬を期待した動機付け。

逆に、ネガティブ・モチベーションというのは、やらないと大変なことになるので、それを避けようとして取り組む動機付け。

どちらが効果的なのかは人それぞれです。

ソレが出来たら、アレをあげるよ、と言われて、俄然、頑張れる人もいます。

快感の期待が原動力になる、ポジティブ・モチベーションが有効な方々ですね。

一方、ご褒美ではやる気にならず、夏休みの宿題を8月末に一気に片付けるように、「もう少しで締切を過ぎちゃうよ!」という状況に追い込まれて不安になることが原動力の、ネガティブ・モチベーションが有効な方々もおられるわけです。

 

ネガティブ・モチベーションは強力

ポジティブとネガティブのモチベーション。

どちらが強力でしょうか?

それは、ネガティブ・モチベーション。

野生動物を考えてみましょう。

狩りをすべく他の動物を追いかける側と、追いかけられる側とでは、どちらの緊迫感が強いでしょうか?

追いかける側は逃しても、また次の獲物を探せばよいわけですね。

でも、追いかけられる側は、捕まってしまったら、おしまいです。

ランチに「する」のと、ランチに「される」のとでは、切迫度の次元が全く異なるわけです。

 

恐怖や不安を感じる扁桃体(ネガティブ・モチベーションの源泉)

恐怖や不安を感じるとき、脳の活動はどうなっているのでしょうか?

脳の奥深い所に扁桃体という部分があって、その活動が強くなることが知られています。

扁桃体(Wikipedia)

「扁桃」というのは「アーモンド」のこと。

形がアーモンドに似ているために扁桃体と呼ばれています。

この扁桃体が機能しないと、恐怖を感じられなくなることがサルの実験で明らかになっています。

サルはヘビが嫌いなので、ゴムで作られたヘビのオモチャでも、見せられると怖がって逃げます。

しかし、扁桃体を損傷させたサルはそのヘビのオモチャを見せられても、怖がるどころか、手で掴んでガジガジとかじってしまったのです。

扁桃体が機能しないので恐怖心がなくなってしまったのですね。

 

扁桃体が機能しなくて怖がらなくなる例はサルだけでなく、ヒトにもあります。

ヒトの場合は、実験だからといって脳を部分的に損傷させられないので、遺伝的な病気(局所性両側扁桃体損傷)などで扁桃体が機能しなくなった方に協力してもらいます。

すると、やはり恐怖を感じる様子はなかったそうです。

嫌いだとか苦手だと自分で思っている物でも、実際に目の前に置かれても全く怖がらないそうです。

 

ポジティブ・モチベーションで行こう

ネガティブ・モチベーションは自分の生死に関わる恐怖を根源としますので強力ではあります。

ただ、強力な分だけ、ストレスも大きなものとなりがちです。

いつも、ギリギリになるまで自分を追い込むようなネガティブ・モチベーションに頼らない方が良いでしょう。

できれば、自分にご褒美をあげるようなポジティブ・モチベーションで乗り切って行きたいものです。

 

脳科学でビジネスライフを快適に!

では、また!

 

(了)

 

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