脳への関心は高いようですが、疑似科学としての「脳科学情報」があふれて、あやしい「脳科学者」が専門家としてもてはやされてしまっています。
どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?
それは、あやしい情報が正されることなく、発信者も増えるなどして、拡大再生産され続けた結果と言えるでしょう。
まともな研究者の本もあります
もちろん、まともな研究者が何もしてこなかったわけではありません。
忙しい合間の縫って以下のような良書を書かれた、ちゃんとした研究者もおられます。
例えば、
それから、疑似科学としての「脳科学」の流布に警鐘を鳴らす研究者も、例えば
もちろん、他にもあります。
しかし残念ながら、あやしい「脳科学情報」を駆逐するには至らず、疑似科学に圧倒されている状況です。
まともな研究者がマスメディアに出ないワケ
どうして、まともな研究者はマスメディアでの発信が少ないのでしょうか?
「自分より詳しい専門家がいるから」と遠慮して辞退するのはまだ良心的な部類。
脳科学に限ったことではありませんが、背景として、テレビなどのマスメディアに出るような研究者は「軽いヤツ」とレッテルを貼られてしまうアカデミアの風習があるのも大きいです。
また、メディア側に研究内容を理解できる人がいないとか、研究のインパクトのわかる人がいないとか、それらを上手く料理して表現できないことも考えられます。
とは言え、元となる情報源は研究者が持っているわけですから、それを分かりやすく情報提供できないと始まりません。
研究者の世俗に対する無関心
あふれてしまったあやしい情報が正されなかったのは、世俗のことに興味が薄い研究者にはそれらを見聞きする機会が少なく、あったとしても気にとめられなかった可能性も無視できません。
研究者の世俗に対する無関心ですね。
たとえ気づいたとしても、自分はそもそも「脳科学者」ではないと思っているので、自分とは関係ない「脳科学者」が何を言っても関係ないと済ませてしまったのでしょう。
「脳科学者」ではないと思っている? どういうこと?
この件については、機会を改めて書くことにしますね。
まっとうな脳科学者が巷の「脳科学」に無関心だったたツケが、あやしい「脳科学者」を放置し、疑似科学としての「脳科学」情報があふれるという結果を招いた反省しないといけません。
あやしい専門家が量産される状況は脳科学に特有とも言える現象で、今後、疑似科学としての脳科学をあふれさせないためにも改めていく必要があります。
研究者には情報発信の苦手な人がほとんど
研究者も情報発信すれば済む話ではないか、と思われるかもしれませんが、そう簡単にいかないのが困ったところ。
「軽いヤツ」とレッテルを貼られるアカデミアの風習も、昨今のアウトリーチや大学の宣伝のため、以前よりは動きやすくなってはきました。
しかし残念なことに、研究者には一般の方に専門的な内容を伝えること自体が上手でない方が多いのを白状しないといけません。
さらに、マスメディアには「単純さ」と「ウケ(意外さ)」が必須で、擬似科学がはびこりやすい土壌となっていることにも充分な注意を払う必要もあります。
研究者は、自身があやしい「脳科学者」ではないという無関心から脱して、伝える技術をもう少し磨いて情報発信し、巷に流れる情報にも少しは注意を払っていくようにして疑似科学を撲滅することが役目の一つであると認識すべきでしょう。
自戒の念を込めて。
脳科学でビジネスライフを快適に!
では、また!
(了)
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